「それ、唐揚げじゃん」と言ったら絶交された話 〜北海道のソウルフード「ザンギ」の真実〜

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ザンギの写真

北海道のザンギのお話です。

北海道の友人に「隠れた名物を食べさせてやる」と言われて連れていかれた居酒屋。テーブルに運ばれてきたのは、見た目は完全に唐揚げの揚げ物。

「これが噂のザンギか!」と期待して一口食べた私は、何の気なしにこう言ってしまいました。

「あれ?これただの唐揚げじゃん」

その瞬間、友人の表情が一変。「帰れ」と一言。

…というのは冗談ですが、北海道の方にとって「ザンギ」は単なる唐揚げではなく、誇り高きソウルフードなのです。今回は、そんな「ザンギ」について深掘りしてみましょう。

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1. 「ザンギ=唐揚げ説」は大間違い!…かもしれない

北海道の道民にザンギについて尋ね「唐揚げと何が違うの?」と質問すると、10人中9人が「全然違う!」と答えます。残りの1人は「実は…よく分からない」と小声で教えてくれるでしょう。

ザンギと唐揚げの違いについては、以下のような説があります:

  1. 下味の違い説: ザンギは醤油ベースの濃い味付けで、唐揚げは塩・胡椒などのシンプルな味付け
  2. 衣の違い説: ザンギの衣には卵が入っている(という説もあれば、入っていないという説も)
  3. 揚げ方の違い説: ザンギはカラっと揚げる、唐揚げはジューシーに仕上げる

でも実は…これらの「違い」は地域や店によってまちまちで、明確な定義はないんです。ある道民いわく「違いがよく分からなくても、ザンギはザンギ。これは信仰の問題だ」とのこと。

2. ザンギの語源は「運が上がる」?話題のニセ語源学

ザンギという名前の由来には様々な説がありますが、最も広まっているのが「中国語の『炸鶏(ザーギー)』に『運』の『ン』を足した」というもの。つまり「運が上がる」唐揚げということになります。

でも実は、これは後付けの「都市伝説」的な説明の可能性が高いんです。

より確からしい説明は、中国語の「炸鶏(ザージー)」という言葉が日本語に入る際に音が変化したというもの。または「千切り(せんぎり)」が訛って「ザンギリ」になり、さらに短くなって「ザンギ」になったという説も。

道民の友人によると「語源がどうであれ、食べると運が上がるのは確か」とのこと。科学的根拠はありませんが、美味しいものを食べると幸せになるのは間違いないですね。

3.「ザンギ信仰」の地域差

実は北海道内でも、愛着度には地域差があります。

釧路(発祥の地): ザンギ愛が最も強い地域。「ザンギ」という言葉を不用意に使うと「本物のザンギを知らないな」と厳しい視線を浴びることも。

札幌: 比較的リベラルな地域で「ザンギも唐揚げも美味しければいいじゃない」という寛容派も一定数存在。ただしザンギという呼称は守るべき文化と考える人も多い。

函館: 道南地域では「から揚げ」と普通に呼ぶ店も存在する「反逆地域」。ただしこれは「函館は文化的に本州に近い」という地理的理由があると言われています。

4. ザンギと名乗れるのは何?「ザンギの線引き問題」

面白いことに「ザンギ」の定義はとてもあいまいで、様々なバリエーションが存在します。

  • 鶏ザンギ: 最もオーソドックスな鶏肉のザンギ
  • タコザンギ: タコの唐揚げ。道東地域の特産
  • チーズザンギ: 中にチーズが入ったザンギ
  • 豆腐ザンギ: 豆腐を使ったベジタリアン向けザンギ

これらすべてが「ザンギ」と呼ばれていますが、保守派の中には「本当のザンギは鶏肉だけ」という意見も。

とある道民の方は「材料は何でもいいけど、『ザンギ』と名乗るなら北海道の魂を宿していなければならない」と哲学的な見解を示してくれました。深いですね。

5. 「ザンギ」が与えた日本全国への影響

ザンギという呼び名は、実は全国的に影響を与えています。

  • 愛媛県には「せんざんき」という郷土料理があり、こちらもザンギと同じく唐揚げの一種
  • 北海道の出身者が各地で開いた居酒屋で「ザンギ」メニューが広がっている

まさに「ザンギ文化圏」は着実に拡大中と言えるでしょう。

6. 本物のザンギを作りたいなら

せっかくなので、道民直伝の「本物のザンギ」レシピをご紹介します。

材料(2人前)

  • 鶏もも肉:300g
  • 醤油:大さじ2
  • みりん:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • にんにく(すりおろし):小さじ1/2
  • 生姜(すりおろし):小さじ1/2
  • 卵:1個
  • 片栗粉:適量
  • 小麦粉:適量
  • 揚げ油:適量

作り方

  1. 鶏もも肉を一口大に切り、水気をよく拭く
  2. 醤油、みりん、酒、にんにく、生姜を混ぜてタレを作り、鶏肉を30分以上漬け込む
  3. 漬け込んだ鶏肉に溶き卵をからめ、小麦粉と片栗粉を混ぜたものをまぶす
  4. 170℃の油で5-6分、カリッと揚げる
  5. 熱々を食べる!

道民いわく「下味をしっかりつけることと、衣をサクサクに仕上げることがポイント」とのこと。自宅で作ると、なぜか「ザンギ」ではなく「唐揚げ」になってしまうという不思議な現象も報告されていますが、気にしないでください。

まとめ:ザンギは「北海道の誇り」

冗談のような書き方をしましたが、北海道の人々にとって「ザンギ」は単なる料理名ではなく、地元の誇りであり文化そのものです。もし北海道を訪れることがあれば、ぜひ地元の方に「ザンギのおすすめのお店は?」と聞いてみてください。きっと目を輝かせて熱く語ってくれるはずです。

そして最後の最後に、私からのお願い。絶対に「ただの唐揚げじゃん」とは言わないでください。代わりに「唐揚げとは全然違うね!」と言えば、きっと地元の方から温かい笑顔が返ってくるでしょう。

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