物価高騰の今、家計の負担を少しでも減らしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
日々の生活で使用する水道代は、ちょっとした工夫で節約できる出費の一つです。
この記事では、家庭でできる効果的な節水方法や便利なグッズを紹介します。
毎日の生活習慣を少し変えるだけで、水道代の節約につながります。さらに、環境にも優しい生活を実現できるでしょう。

家庭での水の使用実態を知ろう
まずは家庭での水の使用実態を把握することから始めましょう。
東京都水道局の調査によると、家庭でひとりが1日に使う水の量は平均約220リットル程度です。
その内訳は、「風呂=40%」「トイレ=21%」「炊事=17%」「洗濯=15%」「洗面・その他=6%」となっています。
1リットルを2リットルのペットボトルに換算すると、1人で1日に100本以上の水を使用していることになります。
使用量が特に多い「お風呂」「トイレ」「キッチン」の3か所を重点的に節水することで、効果的に水道代を削減できるでしょう。
お風呂での節水テクニック
1. シャワーの使い方を見直す
お風呂では、シャワーの使い方を見直すだけで効果的な節水が可能です。
シャワーを出しっぱなしにすると、1分間に約10リットルもの水が流れてしまいます。
体を洗っている間や髪を洗っている間はこまめに止水するだけで、大きな節水効果が得られます。
2. 節水シャワーヘッドを導入する
市販の節水シャワーヘッドに交換するだけで、水の使用量を30〜50%も削減できます。
最新の節水シャワーヘッドは、水の量を減らしても水圧を保つ工夫がされており、使用感はほとんど変わりません。
節水シャワーヘッドを使用することで、年間約4,000円〜6,000円の節約が期待できます。
最新の節水シャワーヘッドには、以下のような機能が付いたものもあります:
- 手元で止水できるストップボタン付き
- ウルトラファインバブルで美容効果も期待できるもの
- 複数の水流モードを切り替えできるもの
取り付けも簡単で、ほとんどの場合手で回すだけで交換可能です。
ただし、購入前に自宅のシャワーヘッドのメーカーを確認し、対応しているかどうかを確認しましょう。
3. 浴槽の残り湯を有効活用する
入浴後の残り湯を捨てずに、洗濯や掃除、植物への水やりなどに再利用することで節水効果が高まります。
家庭内で使用する水のうち15%を占める洗濯に残り湯を使うことで、水道代の節約につながります。
4. 家族の入浴スタイルを工夫する
家族が多い家庭では、シャワーだけではなく浴槽にお湯を張って入浴する方が節水効果が高くなります。
一方、一人暮らしの場合は浴槽にお湯を張るよりもシャワーだけで済ませた方が節水になります。

トイレでの節水テクニック
1. レバーの大小を適切に使い分ける
トイレのレバーの大小を状況に応じて使い分けることで、効果的に節水できます。
一般的なトイレでは、「大」レバーで約13リットル、「小」レバーで約6リットルの水が流れます。
小用の際に「小」レバーを使うだけで、1回あたり約7リットルもの節水になります。
4人家族が1日に4回トイレを使用すると仮定すると、「小」レバーを適切に使うことで年間約7,000円の節約も可能です。
2. 二度流しを控える
音やニオイを消すために同じトイレで複数回水を流す「二度流し」は、水の無駄使いにつながります。
二度流しを1回控えるだけで、トイレの型式にもよりますが約6〜13リットルの節水になります。
音が気になる場合は、流水音発生装置を使用する方が長期的には節約につながります。
3. 節水グッズを活用する
トイレ用の節水グッズには様々な種類があります。
特におすすめなのが「水洗トイレ節水器ロスカット」です。
これはトイレタンク内のゴムフロートに取り付けるもので、タンクから最後にチョロチョロと流れる無駄な水をカットできます。
1回の洗浄で約5リットルの節水効果があります。また、4人家族の場合、年間約7,700円もの節約が期待できます。
※注意点:トイレのタンクにペットボトルを沈める節水法は、水の流れが悪くなり排水管が詰まる可能性があるためおすすめできません。
キッチンでの節水テクニック
1. 食器洗いの方法を工夫する
食器を洗う際は、水を流しっぱなしにせず「ため洗い」を実践しましょう。
洗い桶に水をためて洗うことで、5分間の流しっぱなしに比べて約60リットルもの水を節約できます。

2. 油汚れは拭き取ってから洗う
油などのしつこい汚れは、洗う前にヘラや古新聞、キッチンペーパーなどで拭き取っておくと、洗剤や水の使用量を減らせます。
また、排水管の詰まりも防止できます。
3. 節水グッズを取り入れる
キッチンの蛇口に取り付ける「節水コマ」や「節水蛇口」は、最大50%の節水効果があると言われています。
取り付けも簡単で、水道局の営業所で無料でもらえる場合もあります。
ただし、レバー式水栓には対応していないものもあるので注意が必要です。
4. 食器洗い機を活用する
手洗いより食器洗い機を使用する方が節水になります。
手洗いの場合の一回に使用する水量は約65リットルです。しかし、食器洗い機では約15リットルで済むため、約50リットルの節水が可能です。
洗濯での節水テクニック
1. まとめ洗いをする
洗濯機は、洗う量が少なくても多くても使用する水の量はほとんど変わりません。
こまめに洗うよりも、ある程度溜めてからまとめて洗うようにしましょう。
2. 風呂の残り湯を使う
洗濯にお風呂の残り湯を使うことで、水道代を節約できます。
最近の洗濯機には風呂水ポンプが標準装備されているものも多いので、活用しましょう。
3. 洗濯機の選び方を工夫する
新しく洗濯機を購入する際は、縦型よりもドラム型の方が節水効果が高いとされています。
また、洗濯機の節水機能(ためすすぎなど)を積極的に活用しましょう。
その他の節水テクニック
1. 洗顔・歯磨きの際の水の使い方
洗面所での洗顔や歯磨きの際は、水を出しっぱなしにせず、洗面器やコップに水をためて使うように心がけましょう。
歯磨きでコップを使用するだけで、毎月約220円の節約になります。
2. 水漏れの早期発見と対処
水道メーターをこまめにチェックし、水漏れがないか確認することも大切です。
トイレのタンクやシンクの下などからの水漏れは、気づかないうちに水道代を押し上げている可能性があります。
まとめ:継続できる節水習慣を身につけよう
節水は特別なことではなく、日常生活の中の小さな心がけで実現できます。
一度に全ての対策を取り入れるのは難しいかもしれませんが、できることから少しずつ取り入れていきましょう。
節水シャワーヘッドやトイレ節水器などの節水グッズは、初期投資は必要です。しかし、長期的に見れば大きな節約になります。
また、日々の使い方を少し工夫するだけでも、無理なく効果的に節水できます。
家計の節約だけでなく、限りある水資源を大切にする意識も持つことで、環境にも優しい生活を実践していきましょう。
