子供の日を目前に控えたこの季節、北海道では餅、柏餅と並んで「べこ餅」が食卓を彩る時期となりました。
端午の節句に欠かせない和菓子を求めて、札幌市内の人気餅屋さんを徹底リサーチしてみました。
伝統の味から創作和菓子まで、子供の日を特別に彩る札幌の名店をご紹介します。

■北海道の端午の節句といえば「べこ餅」
全国的には柏餅やちまきが端午の節句の定番ですが、北海道では「べこ餅」が親しまれています。
「べこ」とは北海道の方言で「牛」を意味していますが、実際のべこ餅は牛の形ではなくて葉っぱの形です。白と茶色(黒糖)のツートンカラーの餅菓子です。
中にはつぶあんやこしあんが入っており、餅の生地には黒糖が練り込まれていることが多く、独特の風味を楽しめます。
北海道で端午の節句にべこ餅を食べる習慣は古くからあります。子どもの健やかな成長を願う郷土菓子として大切にされてきました。
特に道南地域で見られる伝統で、松前や江差周辺では冠婚葬祭、小正月、お供えなどにも用いられていたそうです。
昔は各家庭で手作りされていましたが、現在では和菓子店やスーパーでも気軽に購入できるようになっています。
では、札幌で評判の良い餅屋さんをご紹介していきましょう。

■かど丸餅店
札幌市東区北23条東7丁目にある「かど丸餅店」は、昭和12年創業の老舗和菓子店です。
早朝6時から営業しており(商品がなくなり次第閉店)、毎朝多くのファンが列を作る人気店として知られています。
定休日は木曜(祝日の場合は営業)です。
特に「いちご大福」は絶品と評判で、シーズン中は入手困難なほどの人気商品です。
一般的な和菓子のほか、季節限定商品も充実しています。
午後には売り切れることが多いので、確実に購入したい場合は午前中の訪問がおすすめです。
地元の人々に愛され続ける伝統の味をぜひご賞味ください。
■餅菓子商 白谷(しろや)
札幌市中央区南3条西17丁目の「餅菓子商 白谷」は、厳選された北海道産の素材を使った手作りの餅菓子が評判のお店です。
営業時間は10:00~17:00(売り切れ次第終了)で、定休日は毎週月曜と第2火曜です。
職人さんにより丁寧に作られ、できたての美味しさを堪能できます。
人気商品は午前中に売り切れてしまうこともあるので、早めの訪問がおすすめです。
お店は札幌医大の近くにあり、パッケージもおしゃれなので、贈り物としても喜ばれます。
■えにかいたもち
2021年11月にオープンした札幌市中央区南11条西8丁目の「えにかいたもち」は、伝統的な和菓子の技法を大切にしています。また、新しい感覚を取り入れた創作和菓子も提供する注目のお店です。
「えにかいた」とは北海道弁で「絵に描いたような」という意味です。そして、その名の通り見た目も美しい和菓子が楽しめます。
オープン以来人気で、連日お昼頃には完売してしまうほどの人気ぶり。
素材にこだわり丁寧に作られたお餅は、SNSでも話題になっています。
札幌中央区の山鼻エリアで、新たな和菓子の名所として注目を集めています。
■もち処 一久大福堂
創業100年を超える老舗和菓子店「もち処 一久大福堂」は、札幌市内に複数店舗を展開している人気店です。
北海道産の餅米にこだわり、伸びの良さと柔らかさが特徴的な美味しいお餅を提供しています。
札幌の店舗には、月寒中央店(札幌市豊平区月寒中央通4丁目、営業時間7:00~17:00)や南郷8丁目店などがあります。
子供の日には柏餅はもちろん、北海道らしいべこ餅も販売。
丁寧に練り上げられた餅と上質なあんこの相性は抜群です。多くのリピーターに愛されています。
また「一升餅」や「祝い餅」などのお祝い事に使われるお餅も評判です。
札幌市清田区の店舗にはドライブスルーも併設されており、車での購入も便利です。
何世代にも渡って愛され続ける味を、この機会にぜひ味わってみてください。
■美よし乃餅店
札幌市西区発寒5条3丁目にある「美よし乃餅店」は、地元の人々に長く愛されている和菓子店です。
発寒商店街の中にあり、JR発寒中央駅からも近いアクセスの良さも魅力です。
定休日は月曜日です。
地元では「28年も小さい頃から行っている」という声もあるように、長年地域に根付いたお店です。
昔ながらの製法で作られるお餅は、柔らかさとコシのバランスが絶妙です。
家族の伝統として受け継がれてきた味わいを、ぜひご賞味ください。

■札幌餅の美好屋
札幌市西区二十四軒2条4丁目にある「札幌餅の美好屋」は特に誕生餅(一升餅)で知られる餅専門店です。
伝統的な手法で作られるお餅は、弾力があり噛み締めるごとに甘みが広がる絶品です。
オンラインショップも展開しており、自宅にいながら美味しいお餅を注文することもできます。
一升餅などのお祝い用のお餅も人気で、大切な方への贈り物としても喜ばれるでしょう。
■セイコーマートのべこ餅
地元民の日常に寄り添うコンビニエンスストア「セイコーマート」は、北海道の郷土菓子にも力を入れています。
子供の日には「こどもの日セット」として、笹団子、べこ餅、柏餅のセットを販売しています。
商品には北海道産うるち米を使用した上新粉が使われており、地元の素材を大切にしています。
気軽に購入できる価格帯ながら、しっかりとした味わいです。これにより、忙しい現代の家庭でも手軽に伝統的な和菓子を楽しむことができます。

■子供と一緒に楽しむべこ餅と柏餅
子供の日には、単に和菓子を購入して食べるだけではなく、その由来や意味を子供たちに伝えるのも良いでしょう。
柏餅は「子孫繁栄」の願いが込められています。新芽が出るまで古い葉が落ちない柏の葉には「家系が途切れない」という意味があります。
北海道独自のべこ餅には、牛のように強く健やかに育ってほしいという願いが込められています。
こういった伝統的な和菓子には、先人たちの子どもへの願いや愛情が詰まっているのです。
また、和菓子店によっては子供向けの餅作り体験なども開催しています。そういったイベントに参加するのも思い出に残る体験になるでしょう。
■まとめ
札幌には伝統を大切にしながらも、新しい感覚を取り入れた素晴らしい餅屋さんがたくさんあります。
子供の日という特別な日には、ぜひこだわりの柏餅やべこ餅を味わってみてはいかがでしょうか。
北海道ならではの「べこ餅」は、他の地域では味わえない郷土菓子です。
端午の節句の伝統を大切にしながらも、地域色豊かな和菓子文化を子供たちに伝えていきたいですね。
子供たちの健やかな成長を願う端午の節句。
美味しい和菓子と共に、素敵な思い出を作りましょう。

【注意】
※記事内の情報は執筆時点のものです。
営業時間や定休日、販売商品などは変更されている場合がありますので、ご来店前に各店舗の公式サイトやSNS、お電話などで最新情報をご確認ください。
また、人気商品は早い時間に売り切れることもありますので、お早めのご来店をおすすめします。