「エンジンルームが汚れているから洗いたい」「高圧洗浄機でサッと洗えば簡単じゃない?」
と考えている方、ちょっと待ってください!
エンジンルームの洗浄は、実は非常にリスクが高い作業なんです。
間違った方法で洗浄すると、車が故障するだけでなく、最悪の場合、電気系統のショートによる火災を引き起こす可能性があります。
今回は、エンジンルーム洗浄の危険性と、なぜ「やらない方がいい」のかを詳しく解説します。

エンジンルーム洗浄が危険な3つの理由
1. 電気系統のショートによる火災リスク
エンジンルームには、多くの電装部品が密集しています。これらに水が侵入すると:
- 電気がショートし、発火する危険性
- バッテリー周りでの火花から引火する可能性
- 配線の被覆が劣化し、後日火災につながるリスク
実際に、エンジンルーム洗浄後の火災事故は報告されています。
2. 高額な修理費用が発生する可能性
水による故障は、以下のような深刻な問題を引き起こします:
- ECU(エンジンコントロールユニット)の故障:修理費用10万円〜50万円
- センサー類の故障:1個あたり数万円
- 電装系全体の交換:100万円を超えることも
「ちょっと水をかけただけ」が、数十万円の修理費用につながることがあります。
3. 症状がすぐに現れないことも
水による故障の怖いところは、すぐに症状が出ないことです:
- 洗浄直後は正常でも、数日後に不調が発生
- 徐々に電装部品が腐食し、突然故障
- 走行中にエンジンが停止する危険性
高圧洗浄機は絶対にNG!その理由
「高圧洗浄機なら汚れが落ちやすい」と考えがちですが、これは最も危険な方法です:
- 強力な水圧で防水カバーが外れる
- コネクター内部に水が強制的に侵入
- 配線が切れたり、部品が破損する
- 修理工場には「高圧洗浄機で洗って故障した」という相談が多数
プロのメカニックでさえ、高圧洗浄機の使用は避けています。

「水を使わない方法なら安全」も実は危険
エンジンクリーナーやスプレーを使った洗浄も、リスクがあります:
- 素人判断では、どこに使っていいか分からない
- 電装部品にクリーナーがかかると故障の原因に
- 可燃性のクリーナーは火災リスクも
- 換気不十分だと有害物質を吸い込む危険

なぜプロでも慎重に作業するのか
専門店でさえ、エンジンルーム洗浄は:
- 作業前に車種ごとの注意点を確認
- 電装部品を完全に養生してから作業
- 専用の機材と知識を使って慎重に洗浄
- 作業後は動作確認を徹底的に行う
これほど慎重に行う作業を、素人が安全にできるでしょうか?
「でも汚れが気になる」という方へ
エンジンルームの汚れが気になる場合は:
1. 表面のホコリ程度なら
- 乾いた布で優しく拭く程度に留める
- ブラシは使わない(配線を傷つける恐れ)
- 水やクリーナーは一切使わない
2. 本格的な洗浄が必要なら
- 必ずプロに依頼する(費用は5,000円〜15,000円程度)
- ディーラーやカー用品店の専門スタッフに相談
- 「安く済ませたい」という理由で自分でやらない

実際の事故例:エンジンルーム洗浄の怖さ
実際に起きた事例を紹介します:
- ケース1:高圧洗浄機で洗浄後、走行中にエンジンが突然停止。ECU交換で30万円の修理費用
- ケース2:水洗い後、数日してエンジンルームから煙。配線のショートが原因で火災寸前
- ケース3:エンジンクリーナー使用後、センサー故障。修理に15万円
どれも「ちょっとキレイにしたかっただけ」から始まった事故です。
安全のための重要なアドバイス
やってはいけないこと
- 水を使った洗浄(霧吹きやジョウロでも危険)
- 高圧洗浄機の使用(絶対にNG)
- 素人判断でのクリーナー使用
- YouTubeや動画を見ただけでの作業
やるべきこと
- エンジンルームは「触らない」が基本
- 汚れが気になるなら、必ずプロに相談
- 定期点検時にディーラーに洗浄を依頼
- 「自分でできそう」と思わない

まとめ:エンジンルーム洗浄は「やらない」が正解
エンジンルーム洗浄について、最も重要なメッセージは:
「基本的にやらない」これが最も安全で賢明な選択です。
理由をまとめると:
- 火災や故障のリスクが非常に高い
- 修理費用が高額になる可能性
- プロでも慎重に行う難しい作業
- 見た目のキレイさと引き換えに、大きなリスクを負う
エンジンルームの汚れが気になる場合は、必ずプロに相談しましょう。数千円〜1万円程度の洗浄費用で、安全に作業してもらえます。
自分で洗浄して数十万円の修理費用や、最悪の場合は火災事故を起こすリスクを考えれば、プロに任せるのが最も賢い選択です。
愛車を守るためにも、エンジンルーム洗浄は「やらない」という選択をしてください。
どうしても洗浄が必要な場合は、必ず専門店やディーラーに依頼しましょう。あなたの安全と、愛車を守るために。