車を買ったばかりで「メンテナンスって一体何をしたらいいの?」と困っている方も多いのではないでしょうか。実は、車のメンテナンスの多くは特別な知識がなくても自分でできる簡単なものばかりです。今回は、初心者でも安心してできる基本的なメンテナンス項目をご紹介します。
なぜ車のメンテナンスが必要なの?
車のメンテナンスは、実は法律で定められているユーザーの義務です。道路運送車両法では、車の使用者に日常点検整備の実施を義務付けており、車検に合格したからといって継続的な安全性が保証されるわけではありません。
メンテナンスを怠ると以下のようなリスクがあります:
- 安全性の低下 – ブレーキやタイヤの不具合により事故の原因となる
- 高額な修理費 – 小さな不具合を放置すると大きなトラブルに発展し、修理費が高額になる可能性がある
- 燃費の悪化 – エンジンオイルやタイヤの状態が悪いと燃費性能が下がる
自分でできる簡単メンテナンス7項目
1. エンジンオイルの点検(月1回)
なぜ重要? エンジンオイルは、エンジンをスムーズに稼働させる潤滑油として使用され、劣化すると最悪の場合エンジンの焼き付きを起こす可能性があります。
点検方法:
- 平坦な場所にエンジンを停止して駐車
- エンジン停止後10分程度待つ
- オイルレベルゲージ(黄色いリング状の取っ手)を引き出し、布で拭いてから再び差し込む
- 再度引き出して、オイルが「F」(上限)と「L」(下限)の間にあるかチェック
交換時期目安: 走行距離5,000kmまたは半年に1回
2. タイヤのメンテナンス空気圧とひび割れチェック(月1回)
なぜ重要? タイヤの空気圧不足は雨の日の制動距離を長くし、ハイドロプレーニング現象の原因になります。
点検方法:
- タイヤの接地部分が極端にたわんでいないかを目視確認
- タイヤの溝の深さをチェック(スリップサインが出ている状態(1.6mm未満)では車検に通らず危険)
- サイド部分にひび割れや傷がないかを確認
- ガソリンスタンドで空気圧を測定・補充
適正空気圧: 運転席ドアの内側または取扱説明書に記載

3. ライト類の点灯確認(月1回)
なぜ重要? ライト類の損傷は運転に支障をきたすだけでなく、トラブルに巻き込まれることも多く、特に夜間走行は危険です。
点検方法:
- ヘッドライト、車幅灯、ウィンカーの点灯確認
- ブレーキランプ(誰かに見てもらうか、壁に反射させて確認)
- レンズの汚れや損傷もチェック
4. ワイパーとウォッシャー液のメンテナンス(月1回)
なぜ重要? ワイパーは視界を確保する要となり、ワイパーゴムは紫外線や熱の影響で半年もすれば性能が劣化します。
点検方法:
- ワイパーゴムにひび割れや変形がないかチェック
- ウォッシャー液を噴射してワイパーを作動させ、きれいに拭き取れるか確認
- ウォッシャー液タンクの残量確認
交換時期目安: ワイパーゴムは半年に1回、ブレード本体は1年に1回

5. バッテリー液の確認(月1回)
なぜ重要? バッテリーは通常3〜5年程度で寿命を迎え、老朽化するとエンジンのかかりが悪くなったり、突然車が動かなくなる原因となります。
点検方法:
- エンジンルーム内のバッテリーを確認
- バッテリー液の量が「UPPER」と「LOWER」の間にあるかを車両を揺らすなどして点検
- ターミナル部分に腐食がないかチェック
6. 冷却水の確認(月1回)
なぜ重要? 冷却水が不足するとエンジンがオーバーヒートし、重大な故障の原因となります。
点検方法:
- ラジエーター・リザーバータンク内の冷却水の量が「FULL」と「LOW」の間にあるかを点検
- ホースからの漏れがないかチェック
7. 洗車もメンテナンス(月2回程度)
なぜ重要? 車は日々排気ガスやほこり、花粉、鳥の糞などで汚れており、見た目上はきれいでも案外汚れています。
洗車方法:
- 水で全体の汚れを天井から洗い流す
- カーシャンプーを泡立てスポンジで洗う
- 再び上から下へ泡を洗い流す
- クロスで拭き上げる

プロに任せるべきメンテナンス
以下の項目は専門知識や工具が必要なため、整備工場に依頼しましょう:
- エンジンオイル交換
- バッテリー交換
- タイヤ交換・ローテーション
- ブレーキオイル交換
- エアコンフィルター交換
メンテナンス費用を抑えるコツ
こまめなメンテナンスは費用の節約につながります。メンテナンスを怠ると大きな不具合やトラブルに発展して、修理や買替えなどでかえって高額な費用が必要になる可能性があります。
節約のポイント:
- 自分でできる日常点検は積極的に実施
- 急発進や急停車など「急」がつく運転を避け、各パーツの負担を減らす
- 定期的な点検で小さな不具合を早期発見

まとめ
車のメンテナンスは難しく感じるかもしれませんが、実際には目で見て確認するだけの項目がほとんどです。車の所有者自身が実施する点検は法律の中でも実施義務が定められており、初心者の方でも簡単にチェックできる内容がほとんどです。
月に1回の簡単なチェックを習慣にすることで、愛車を安全に長く乗り続けることができます。まずは今回紹介した7つの項目から始めて、車との付き合い方を身につけていきましょう。

注意事項: 記事の内容は一般的な車を前提としたものです。車種によって点検方法や交換時期が異なる場合があるため、詳細は各車の取扱説明書や販売店で最新情報をご確認ください。