春先のタイヤ交換の時期は、車の重要なメンテナンスを一度に行う絶好の機会です。特に注目したいのが「ワイパーブレード」の交換です。ワイパーは雨天時の視界確保に直結する重要な安全装備であり、定期的な点検と交換が必要な消耗品です。この記事では、タイヤ交換のついでに行うワイパーブレード交換について、その必要性から選び方、DIY方法まで徹底解説します。
ワイパーブレードとは?役割と構造
ワイパーブレードは、フロントガラスやリアガラスの水滴や雪、泥などを拭き取るための部品です。一般的に以下の3つの部分で構成されています:
- ワイパーアーム:車体側に固定されている金属製のアーム部分
- ワイパーブレード:アームに取り付けられる本体部分
- ワイパーゴム:実際にガラスに接触して水分を拭き取るゴム部分
この中で、定期的な交換が必要なのは「ワイパーブレード」と「ワイパーゴム」です。ワイパーゴムのみを交換することもできますが、ブレード全体を交換するほうが一般的です。
ワイパーブレード交換の目安と必要性
交換が必要なタイミング
ワイパーブレードの交換時期の目安は以下の通りです:
- ワイパーゴム:6ヶ月~1年
- ワイパーブレード:1年~2年
ただし、以下のような症状が見られる場合は、期間に関わらず早めの交換が必要です:
- 拭き残しや水筋が目立つ
- 異音や振動が発生する
- ガラスに接触するゴム部分にひび割れや変形がある
- 拭き取りにムラがある
- フレーム(金属部分)が変形している
春先に交換する理由
春先にワイパーブレードを交換するメリットは以下の通りです:
- 冬季の厳しい環境での劣化:寒冷地では、冬の間の雪や凍結、融雪剤などでワイパーゴムが著しく劣化します
- 春の長雨シーズンに備える:多くの地域で春は雨が多くなる季節。新しいワイパーで梅雨シーズンに備えましょう
- タイヤ交換と一緒に行うことで時間と労力の節約:春の車メンテナンスを一度に済ませることができます
- 車検対策:ワイパーの機能不全は車検不合格の原因になることもあります

ワイパーブレードの種類と特徴
ワイパーブレードには主に3種類あり、それぞれに特徴があります:
1. 標準タイプ(コンベンショナルタイプ)
特徴:
- 複数の金属製支持部材(プレッシャーポイント)でゴムを支える従来型
- 比較的安価
- 構造がシンプル
メリット:
- 価格が安い
- 交換部品が手に入りやすい
- シンプルな構造で故障が少ない
デメリット:
- 高速走行時に浮き上がりやすい
- 雪が溜まりやすい
- 見た目がやや古風
2. フラットタイプ(フラットブレード)
特徴:
- 一体型のフレームで全体を均一に押さえる設計
- 薄型でスタイリッシュな見た目
- 最近の車種に多く採用されている
メリット:
- 高速走行時の浮き上がりが少ない
- 均一な拭き取り性能
- デザイン性が高い
- 雪が溜まりにくい
デメリット:
- 標準タイプより高価
- ゴムのみの交換が難しい場合がある
3. エアロタイプ(ハイブリッドタイプ)
特徴:
- フラットタイプの構造に空力性能を高めるカバーを装着
- 最新の高級車などに採用されることが多い
メリット:
- 高い払拭性能
- 高速走行時の安定性が極めて高い
- 風切り音が少ない
- 雪の侵入を防ぐ
デメリット:
- 3タイプの中で最も高価
- 車種によっては適合しないことがある
- ゴムのみの交換はほぼ不可能
ワイパーブレードの選び方
1. サイズの確認
ワイパーブレードは車種によってサイズが異なります。適切なサイズを選ぶ方法は以下の通りです:
- 取扱説明書で確認:車の取扱説明書に記載されていることが多い
- 現在付いているワイパーのサイズを測定:取り外して実寸を測る
- 適合表で確認:メーカーや販売店のウェブサイトにある適合表で調べる
- カー用品店で相談:車種を伝えれば適切なサイズを教えてもらえる
一般的に運転席側と助手席側でサイズが異なることが多いので注意が必要です。例えば「650mm/450mm」というように表記されます。
2. 取り付け方式の確認
ワイパーブレードの取り付け方式(アーム接続部)には様々な種類があります:
- Uフック式:最も一般的な形状
- サイドロック式:横から差し込むタイプ
- スライド式:スライドして固定するタイプ
- プッシュボタン式:ボタンを押して着脱するタイプ
車種によって対応する取り付け方式が異なるため、現在のワイパーの形状を確認するか、適合表で調べることが重要です。
3. 品質と価格
ワイパーブレードの価格帯は幅広く、以下のような基準で選ぶと良いでしょう:
- 低価格帯(1,000円~2,000円程度):純正相当の標準的なモデル
- 中価格帯(2,000円~4,000円程度):撥水コーティングや静音設計が施されたモデル
- 高価格帯(4,000円以上):最高級のエアロタイプや特殊な素材を使用したモデル
交換頻度を考えると、中価格帯のモデルがコストパフォーマンスに優れていることが多いです。
DIYでのワイパーブレード交換方法
必要な道具
ワイパーブレード交換に必要な道具は以下の通りです:
- 新しいワイパーブレード
- 軍手(あると便利)
- 布やタオル(フロントガラスをきれいにするため)
交換手順
- ワイパーアームを立てる
- エンジンを切り、ワイパーを操作してワイパーが停止位置にあることを確認
- ワイパーアームを持ち上げて立てる(休止位置から90度程度)
- 古いワイパーブレードの取り外し
- 取り付け方式によって外し方が異なります
- Uフック式の場合:ブレード側のロック解除タブを押しながら引き抜く
- サイドロック式の場合:ロックを解除してスライドさせる
- プッシュボタン式の場合:ボタンを押しながら外す
- 新しいワイパーブレードの取り付け
- 新しいブレードの保護カバーを外す(付いている場合)
- 取り付け方式に合わせて、ブレードをアームに確実に取り付ける
- カチッという音や手応えがあれば正しく取り付けられています
- 動作確認
- ワイパーアームをゆっくりとフロントガラスに戻す
- エンジンをかけてワイパーを作動させ、正常に動くか確認する
- 異音や引っかかりがないか確認する
注意点
- 取り外した古いワイパーブレードと新品を比較して、サイズや形状が合っているか確認する
- ワイパーアームを戻す際、勢いよく戻すとフロントガラスを傷つける恐れがあるのでゆっくり戻す
- 交換後は必ず動作確認を行う
- 取り付け方式が分からない場合は、無理に外そうとせず説明書を確認するか専門店に相談する
プロに依頼する場合の費用
自分での交換に自信がない場合や、時間がない場合はプロに依頼することもできます。費用の目安は以下の通りです:
- カー用品店(オートバックス、イエローハットなど)
- ワイパーブレード代:片側約1,500円~5,000円
- 工賃:片側約220円~550円程度
- 合計:両側で約3,500円~11,000円程度
- ディーラー
- ワイパーブレード代:片側約2,000円~6,000円
- 工賃:片側約500円~1,000円程度
- 合計:両側で約5,000円~14,000円程度
自分で部品を購入して持ち込み交換(持ち込み工賃)も可能な店舗が多いので、コスト削減の選択肢として検討してみるとよいでしょう。
ワイパーの性能を長持ちさせるコツ
日常のメンテナンス
- 定期的な清掃:ワイパーゴム部分の汚れを定期的に拭き取る
- ガラスコーティング:フロントガラスに撥水コーティングを施すことで、ワイパーの負担を軽減
- 正しい使い方:乾いたガラスでのワイパー使用は避ける(事前にウォッシャー液を吹きかける)
保管時の注意点
- 積雪時の注意:雪の上にワイパーを置いたままにしない(事前に立てておく)
- 長期駐車時:直射日光下での長期駐車時はワイパーを立てておくか、ゴム部分をカバーで保護する
タイヤ交換とワイパー交換を同時に行うメリット
- 時間の節約:一度の整備で2つのメンテナンスが完了
- 安全性の向上:春から夏にかけての雨季に向けて視界と走行性能を同時に確保
- 費用の節約:一度の工賃で複数のメンテナンスを行える場合がある
- 総合的な車両チェック:タイヤ交換時に専門店でワイパーの状態も確認してもらえる
まとめ
春先のタイヤ交換時期は、ワイパーブレードの交換を同時に検討するベストタイミングです。冬の厳しい環境を経て劣化したワイパーを新品に交換することで、これからの雨の季節も安全な視界を確保することができます。
ワイパーブレードは車の安全装備の一つであり、定期的な交換と適切なメンテナンスが大切です。タイヤ交換と合わせて定期的にチェックし、劣化の兆候が見られたら迷わず交換しましょう。DIYでの交換も比較的簡単ですが、不安な場合はプロに依頼することも選択肢の一つです。
適切なサイズと品質のワイパーブレードを選び、正しいメンテナンスを行うことで、雨天時の安全運転をサポートしましょう。
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