結論から:場所制限から始めてタバコを嫌いになることで自然に禁煙できる
1日2箱以上吸うヘビースモーカーだった私が、まず家と車での禁煙から始めて、約1年かけて段階的にタバコを嫌いになり、最終的に完全禁煙を達成した実体験をお伝えします。スパッと禁煙する方法ではなく、徐々に減らす方法は失敗のもとと言われがちですが、私の場合は「タバコを嫌いになる」という心理的変化を利用した段階的アプローチが功を奏しました。
禁煙開始前の私の状況
- 喫煙歴: 15年以上
- 喫煙量: 1日2箱以上(40本以上)
- タバコの種類: 紙タバコ(ニコチン・タールが高い銘柄)
- 禁煙への意識: 何度も挫折していた
長年タバコを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありませんという医学的事実に背中を押され、今度こそという思いで禁煙に挑戦しました。
段階0:喫煙場所の制限から開始(禁煙準備期間)
最初に行った重要なルール設定
家の中と車の中で絶対に吸わない
禁煙への第一歩として、まず家の中と車の中でタバコを吸わないというルールを徹底しました。これは後の禁煙成功において極めて重要な基盤となりました。
この方法の効果:
- 喫煙できる場所を意図的に制限
- 家族への受動喫煙を防止
- 生活空間とタバコを切り離す心理的効果
- 「いつでもどこでも吸える」という依存状態からの脱却

段階1:紙タバコから高温加熱式タバコへの移行(最初の3ヶ月)
具体的な方法
1. ライターを捨てる 家と車での禁煙ルールを徹底した後、愛用していたライターをすべて処分しました。これは愛用のライターや灰皿を処分する、身近な人と約束をかわす、禁煙宣言書を書くなどの[タバコにサヨナラの儀式]として非常に効果的でした。
2. 当時出始めだった高温加熱式タバコを購入 2016年頃、まだ加熱式タバコが珍しかった時期に高温加熱式タバコを導入しました。加熱式タバコとは、タバコ葉を燃焼するのではなく、加熱することでニコチンを含むエアロゾルを生させるタバコのことで、紙タバコよりも有害物質が少ないとされています。
3. 紙タバコを吸いたくなったら高温加熱式タバコをひたすら吸う 重要なポイントは、紙タバコを吸いたい衝動が起きた時に、我慢するのではなく高温加熱式タバコを代替として使うことでした。じっと我慢はヘタなやり方。深呼吸・水を飲む・ストレッチ体操などで気をそらしましょうとありますが、私の場合は高温加熱式タバコが最適な代替行動でした。
この段階で起きた変化
数ヶ月で高温加熱式タバコに慣れてくると、匂いに対する感覚が変化しました。喫煙所で他の人が吸う紙タバコの匂いが嫌に感じるようになり、その匂いが髪や服についてくるのを強く感じるようになりました。
段階2:高温加熱式タバコから低温加熱式タバコへの移行(3〜6ヶ月)
移行の理由と方法
高温加熱式タバコに慣れた頃、今度は高温加熱式タバコと灰皿を捨てて低温加熱式タバコに変更しました。低温加熱式タバコは、喫煙感が劣るものの臭いが少ないという特徴があります。
低温加熱式タバコの利点:
- いつでも吸うことができる
- 煙が少ない
- 匂いがさらに軽減される
吸い方の変化
低温加熱式タバコでは、吸いたくなったら吸いたいだけ吸うことにしました。従来の「1本吸ったら終わり」という概念がなくなり、より自然な喫煙リズムに変化していきました。
さらなる感覚の変化
数ヶ月で低温加熱式タバコにも慣れた頃、今度は高温加熱式タバコの匂いにも嫌な感じを覚えるようになりました。この時点で、もう紙タバコの頃のような定期的な喫煙リズムではなく、以下のような状況でのみ吸うようになっていました:
- 食後に少しだけ
- 何か考え事がある時にスパスパと
段階3:低温加熱式タバコからニコチンフリーのベイプへ(6〜9ヶ月)
完全なニコチンフリーへの移行
この頃になると、ただ何かを吸うだけのリズムになっていたため、低温加熱式タバコを捨ててニコチンフリーのベイプを試すことにしました。ニコチンフリーのベイプは「禁煙をしたい」という方のための禁煙補助商品であり、アロマテラピー応用商品でもあることから、ストレスやイライラにも効果があるとされています。
ニコチンフリーのベイプの効果
私の使ったベイプは1本で約600回吸うことができ、味わいも1日程度持続するため、経済的で使いやすい禁煙補助アイテムでした。体に悪い成分が全く含まれていないため、安心して使用できました。
匂いに対する完全な嫌悪感
この段階では、タバコの匂いにかなり敏感になり、服や髪にタバコの匂いがつくのが嫌になって、喫煙所にも入れなくなっていました。これは味覚や嗅覚もよくなる効果が現れた結果です。

段階4:完全禁煙の達成(9〜12ヶ月)
最終段階
ニコチンフリーのベイプの吸う回数も徐々に減らしていき、ついに完全禁煙を達成しました。この時点で、タバコに対する執着は完全になくなり、むしろ嫌悪感の方が強くなっていました。
段階的禁煙法の科学的根拠
ニコチン依存のある人では、禁煙すると、吸いたい(喫煙への渇望)、集中できない、イライラする、怒りっぽくなる、眠気が強いなど、さまざまな離脱症状(禁断症状)が現れますが、段階的な方法では急激な離脱症状を避けることができます。
一般的には本数を減らす方法ではやめられないと思い、思い立った瞬間から完全にやめましたという体験談もありますが、私の場合は段階的な方法が性格に合っていました。
禁煙成功のポイント
1. 段階的な場所制限から開始
家と車での禁煙→完全禁煙という段階的なアプローチで、いきなり全面禁止ではなく徐々に制限を強化しました。
2. 心理的変化を重視
タバコを嫌いになることで、我慢ではなく自然な禁煙を実現できました。
2. 段階的なニコチン減量
紙巻タバコ→高温加熱式タバコ→低温加熱式タバコ→ニコチンフリーベイプという順序で、徐々にニコチン量を減らしました。
3. 代替行動の確保
各段階で次の代替手段を用意してから移行することで、禁断症状を最小限に抑えました。
4. 匂いの変化を利用
嗅覚の回復を利用して、タバコの匂いを嫌いになることで禁煙のモチベーションを維持しました。

禁煙後の効果
禁煙すると24時間で心臓発作のリスクの低下がみられるそうです。その後比較的早期にみられる健康改善には、せきやたんなどの症状が低下するという効果を実感しました。
具体的な変化:
- 食事がおいしくなった
- 朝の目覚めが良くなった
- 呼吸が楽になった
- 服や髪の匂いが気にならなくなった
- 月2〜3万円の節約効果
失敗しないための注意点
加熱式タバコは完全禁煙ではない
加熱式タバコは禁煙の役には立たず、むしろ完全な禁煙を遠ざけてしまう可能性がありますという指摘もあります。私の方法は、あくまで最終的な完全禁煙を目指す過程として加熱式タバコを利用したものです。
健康への影響は続く
加熱式タバコに含まれる依存性物質ニコチンは紙巻きタバコと同等に含まれているため依存性は軽減されていませんため、加熱式タバコで満足せず、必ず完全禁煙を目指すことが重要です。
まとめ
1年という期間をかけた段階的禁煙法の成功要因:
- 家と車での禁煙から開始する場所制限アプローチ
- タバコを嫌いになる心理的変化を重視
- 段階的なニコチン減量で離脱症状を軽減
- 匂いに対する感覚の変化を利用
- 完全禁煙という最終目標を見失わない
「一生タバコを吸わない」のではなく、「今日一日」から入ってみましょう。翌日には「昨日頑張れたのだから、今日も」というように、目標を少しずつクリアしていきましょうという考え方で、無理なく禁煙を達成できました。
この方法は万人に適用できるものではありませんが、何度も禁煙に失敗している方や、急激な変化が苦手な方には参考になるかもしれません。最も大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。
注意:本記事の内容は個人の体験談であり、医学的なアドバイスではありません。禁煙に関しては、医療機関での禁煙外来の受診をお勧めします。また、加熱式タバコの健康への影響については、最新の研究結果や公式サイトで最新情報をご確認ください。