車を購入したばかりの方や、これまでメンテナンスに興味がなかった方でも、簡単にできる車のお手入れ方法があります。
プロに任せなくても自分でできるメンテナンスを知っておくことで、車の寿命を延ばし、思わぬトラブルを未然に防ぐことができるのです。
車のメンテナンスはなぜ必要?
「車のメンテナンス?車検やディーラーの点検で十分でしょ」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、車は日々使用することで少しずつ劣化していきます。
定期的なメンテナンスを行うことで、車の性能を維持し、安全性を確保することができます。
メンテナンスが行き届いた車は、その能力を十分に発揮するだけでなく、壊れにくく寿命も長くなります。
また、小さな不具合を早期に発見することで、大きな故障を防ぎ、結果的に修理費用を抑えることにもつながります。
メンテナンス初心者でもできる日常点検5項目
1. タイヤの空気圧チェック
タイヤの空気圧は、車の安定性や燃費に大きく影響します。
一般的に月に1回程度のチェックが推奨されています。
ガソリンスタンドにある空気圧計を使えば、簡単に測定できます。
適正値は車種によって異なるので、取扱説明書や運転席ドアの内側などに表示されている数値を参考にしましょう。
空気圧が低すぎると、燃費の悪化や偏摩耗の原因になります。
高すぎると乗り心地が悪くなり、タイヤの中央部が早く摩耗してしまいます。

2. ワイパーの状態確認
ワイパーゴムは半年から1年程度で劣化します。
拭き取り性能が低下すると、視界不良による事故の原因にもなりかねません。
ゴムの端が欠けていたり、拭きムラがあったりする場合は交換時期です。
ワイパーゴムの交換は、カー用品店で適合するものを購入し、説明書に従って自分で行うことができます。
簡単な工具も不要で、初心者でも5分程度で交換可能です。

3. オイルレベルのチェック
エンジンオイルは「車の血液」とも言われるほど重要です。
オイルレベルゲージを抜いて、適正範囲内にあるか確認しましょう。
平らな場所に車を停め、エンジンを止めてから5分程度経過した後に行うのがベストです。
オイルが少なければ、適合するオイルを補充します。
オイル交換の目安は、一般的に走行距離5,000km〜7,000kmまたは半年〜1年ごとです。
4. 各種ランプ類の点灯確認
ヘッドライト、テールランプ、ウインカー、ブレーキランプなどの点灯確認は、安全運転のために欠かせません。
ランプ切れは、他の車両や歩行者からの視認性を低下させ、事故の原因になります。
家族や友人に協力してもらうか、壁に向かって点灯させてチェックする方法もあります。
5. バッテリーの状態確認
車のバッテリーは通常3〜5年程度で寿命を迎えます。
老朽化すると、エンジンのかかりが悪くなったり、突然車が動かなくなったりする原因となります。
メンテナンスフリーバッテリーでなければ、液量のチェックも必要です。
バッテリー上部にある「UPPER」と「LOWER」の間に液面があるか確認しましょう。また、ターミナル部分の腐食があれば、専用のクリーナーで清掃することをおすすめします。

メンテナンス初心者が見落としがちな不具合チェックポイント
エアコンの効きが悪い
夏場にエアコンの効きが悪くなったら、ガス漏れや不足の可能性があります。
放置すると圧縮機(コンプレッサー)の故障につながることも。早めに専門店で点検、メンテナンスしてもらいましょう。
異音・異臭の発生
走行中の異音や異臭は、何らかのトラブルのサインです。
特にブレーキからの金属音や焦げ臭いにおいは危険信号。
放置せずに専門家にメンテナンス相談することをおすすめします。
水たまりの形成
車を駐車していた場所に水たまりができていたら要注意。
エアコンの排水なら問題ありませんが、色付きや油っぽい液体の場合は、オイル漏れやクーラント漏れの可能性があります。
ハンドルの遊びが大きい
ハンドルを少し動かしても車が反応しない「遊び」の部分が大きくなっていたら、ステアリング系統の不具合の可能性があります。
安全に関わる重要な部分なので、専門店での点検、メンテナンスをおすすめします。
燃費の急激な悪化
いつもより燃費が明らかに悪くなったら、エンジンや燃料系統のトラブルが考えられます。
タイヤの空気圧不足やエアフィルターの目詰まりなど、比較的簡単に解決できる問題もあるので、まずは基本的なメンテナンス、チェックから始めましょう。
メンテナンス不足が招く3つの問題
1. 故障リスクの増加
適切なメンテナンスを怠ると、小さな不具合が大きな故障につながりやすくなります。
例えば、エンジンオイルの交換を長期間行わないと、エンジン内部の摩耗が進み、最悪の場合エンジン本体の交換が必要になることも。
2. 安全性の低下
ブレーキパッドの摩耗やタイヤの偏摩耗などを放置すると、制動距離が伸びたり、ハイドロプレーニング現象(水の上を滑るように走る状態)が起きやすくなったりします。
車の安全性能を維持するためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。
3. 資産価値の下落
車を売却する際、メンテナンス履歴は査定に大きく影響します。
定期的なメンテナンスを行い、その記録を残しておくことで、高く売れる可能性が高まります。
逆に、メンテナンス不足の車は、買取査定で低く評価されがちです。
プロに任せるべきメンテナンス項目
自分でできるメンテナンスには限界があります。以下の項目は、専門知識や特殊工具が必要なため、プロに任せるのが安心です。
エンジンオイル交換
エンジンオイルの交換自体は、工具があれば自分でもできますが、廃油の処理が難しいため、専門店に交換、メンテナンス任せるのが一般的です。
ブレーキパッド・ローターの交換
ブレーキは安全に直結する重要な部分。
メンテナンス専門知識がなければ、調整ミスによる事故リスクもあります。
タイミングベルトの交換
エンジン内部の重要部品であるタイミングベルトは、一般的に7〜10万km走行または5〜7年で交換が推奨されています。切れると最悪エンジンが破損するため、専門家による交換が必須です。
冷却水(クーラント)の交換
エンジンの冷却に使われるクーラントは、通常2〜3年または4万km程度で交換が必要です。
交換、メンテナンス作業には専用の工具が必要で、適切な廃液処理も求められます。
メンテナンス記録の重要性
メンテナンスを行った日付、走行距離、内容を記録しておくことは非常に重要です。
この記録は次回のメンテナンス時期の把握だけでなく、愛車の状態変化を長期的に追跡する資料になります。
また、将来車を売却する際には、整備履歴として買取査定でプラス評価されることがあります。
スマートフォンのアプリやノートなどを活用して、簡単に記録を残す習慣をつけましょう。

買取時に役立つメンテナンス情報
「そろそろ車を買い替えたい」と考えている方にとって、過去のメンテナンス記録は大きな武器になります。
きちんとメンテナンスされている車は、買取業者からも高評価を受けやすいです。
特に定期交換部品(タイミングベルトなど)の交換記録や、車検証・整備記録簿などの書類をきちんと保管しておくことで、査定額アップが期待できます。
また、買取前には簡単な外装のクリーニングも重要です。
車が汚れていると「メンテナンスを怠っている車」と判断され、査定額が下がる可能性があります。
逆に、故障箇所や不具合を隠して売却しようとすると、後々トラブルの原因になります。
正直に申告することで、信頼関係を築き、スムーズな取引につなげましょう。

まとめ:初心者でもできる車のメンテナンス
車のメンテナンスは難しそうに思えますが、基本的な点検項目は初心者でも十分に行えます。
日常的な点検習慣をつけることで、愛車を長く安全に乗り続けることができるでしょう。
小さな不具合を早期に発見することで、大きな故障を防ぎ、結果的に修理費用の節約にもつながります。
また、きちんとメンテナンスされた車は、将来の売却時にも高く評価されます。
「自分にはできない」と諦めずに、今日からできる簡単なメンテナンスから始めてみましょう。
あなたの愛車は、その分だけ応えてくれるはずです。
もし車の状態に不安がある場合や、思わぬトラブルで「もう乗り換えたい」と考えているなら、まずは無料の買取査定を受けてみるのもひとつの選択肢です。
今の車の価値を知ることで、次のステップが見えてくるかもしれません。
