札幌のスープカレーは進化し続ける、そして北海道の冬は長く、厳しい。
そんな極寒の地で生まれ、今や全国区の人気を誇る札幌の「スープカレー」。
一杯のカレーがどうして札幌の誇るソウルフードになったのか、その歴史と魅力に迫ります。
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スープカレーとは何か?その特徴
札幌発祥のスープカレーは、その名の通りスープ状のカレーです。
しかし、ただ薄めたカレーではありません。
スパイスの香り・刺激・辛みがきいたサラサラとしたスープに、ゴロっと大きな具材が特徴です。
トロトロのルーカレーとは異なり、サラサラとしたスープ状だからこそ、スパイスの香りと味わいがダイレクトに伝わります。
丸ごとのじゃがいも、なす、にんじん、骨付きチキンなど、大振りの具材がドンと盛られているのも特徴的です。
意外と古い!スープカレーの歴史
スープカレーの歴史は意外にも古く、そのルーツは1970年代にさかのぼります。
札幌の老舗喫茶店「アジャンタ」が提供した「薬膳カリィ」が、スープカレーの原型と言われています。
そして1990年代、現在「スープカレーの元祖」と言われる「マジックスパイス」の登場により、「スープカレー」という名称が誕生しました。
2000年代に入ると札幌市内でブームとなり、その後全国へと広がっていきました。
なぜ札幌で?寒冷地との相性
「なぜ寒い札幌でスープカレーが生まれたのか?」
スープの表面上に肉の油分が浮かび、膜ができることで、スープカレーは温度が高く保たれます。
このことも北海道の寒冷な気候と相性がよかったのだと思います
また、食べ応えのある大きな具材と、体の芯から温まるスパイシーなスープは、寒い冬を乗り切るための理想的な食べ物とも言えるでしょう。
激戦区となった札幌市内
2000年代のブーム以降も、札幌市内にはスープカレーを提供する店が200店以上も存在します。
まさに激戦区。各店がオリジナリティを競い合い、進化を続けています。
人気店の名前を挙げれば、元祖の「マジックスパイス」をはじめ、「カレー食堂 心」「SOUP CURRY KING」など。
それぞれに個性があり、スープのベースや使用するスパイス、具材の組み合わせなど、こだわりが詰まっています。
スープカレーの楽しみ方
辛さのレベル選択
多くの店では辛さのレベルを選べるのが特徴です。
例えば「マジックスパイス」では、「覚醒」「瞑想」「悶絶」など7段階の辛さを用意。辛くなるほどコクと旨みも増すという、スパイス好きにはたまらない仕組みになっています。
ベストな食べ方
スープカレーの定番の食べ方は、白いごはんを別皿で提供し、スープと交互に食べるスタイル。
または、ごはんをスープに少しずつ入れながら楽しむ方法も。
どちらにせよ、スパイスの香りと具材の旨みを堪能しましょう。
進化するスープカレー:スパイスカレーとの融合
最近では、スパイスを追求した「スパイスカレー」との融合も見られます。
札幌市東区の「ルー&スープカレーBONANZA」のように、ルーカレーとスープカレー両方のハイレベルな味を提供する店も登場。
スープカレーの進化は今なお続いています。
最後に:札幌を訪れたら必食のソウルフード
寒い北の大地で生まれ、今や全国に広がったスープカレー。
その歴史を知れば、一杯のスープカレーをより深く味わうことができるでしょう。
札幌を訪れたなら、ぜひとも本場のスープカレーを堪能してください。
あなたのお気に入りの一杯が、きっと見つかるはずです。
体の芯から温まるスパイスの香りと、ゴロゴロの具材の満足感。それこそが、札幌が誇るソウルフードの真髄なのです。