北の大地への玄関口、新千歳空港と北海道の中心都市・札幌。
国内最大級のターミナル機能を持つ新千歳空港は、単なる交通拠点を超えた魅力的な施設であり、札幌へのアクセスも抜群です。
この記事では、新千歳空港の見どころ、札幌市内へのアクセス方法、効率的な移動のコツなど、旅の始まりと終わりを充実させる情報を徹底的にご紹介します。
北海道旅行を計画中の方は、ぜひ参考にしてください。

新千歳空港の概要と特徴
新千歳空港は、北海道千歳市にある日本有数の国際空港です。
年間乗降客数は約2,400万人(2019年データ)で、国内の空港では東京(羽田・成田)、大阪(関西・伊丹)に次ぐ規模を誇ります。
国内線は東京、大阪、名古屋など主要都市への便が充実しており、国際線もアジアを中心に北米、欧州など多数の路線が就航しています。
空港ターミナルは国内線と国際線が一体化された構造で、免税店やレストラン、お土産ショップが集まる「センタープラザ」を中心に、東西に国内線ターミナル、北側に国際線ターミナルが配置されています。
特筆すべきは空港内の充実した施設で、一般的な空港の域を超えた「エンターテイメント空間」として多くの観光客に人気です。
北海道の玄関口にふさわしく、北海道の食や文化、観光情報を発信する様々な仕掛けがあり、場合によっては空港内だけでも半日楽しめるほどの充実ぶりです。
新千歳空港内の楽しみ方
新千歳空港は、ただの乗り継ぎ場所ではなく、それ自体が観光スポットとしての魅力を持っています。
「新千歳空港ターミナルビル3階」には、様々なエンターテイメント施設が集まっています。
「ドラえもんわくわくスカイパーク」は子供から大人まで人気のスポットで、ドラえもんの世界を体験できるテーマパークのような空間です。撮影スポットも多数あり、SNS映えすること間違いなしです。
「ロイズチョコレートワールド」では、北海道を代表するチョコレートブランド・ロイズの製造工程見学や、オリジナルチョコレート作り体験(要予約)が楽しめます。
「ハローキティハッピーフライト」はキティちゃんファン必見のアトラクション空間で、飛行機をテーマにしたかわいい世界観が広がっています。
映画館「新千歳空港シアター」もあり、フライト待ちの時間に映画を楽しむこともできます。
3階の「北海道ラーメン道場」では、札幌・旭川・函館など北海道各地の有名ラーメン店が集結。
一度に北海道の様々なラーメンを食べ比べることができます。
新千歳空港から札幌市内へのアクセス方法
新千歳空港から札幌市内へは複数の交通手段があり、予算や時間、荷物の量などに応じて最適な方法を選べます。
【JR(列車)】
最も一般的で便利なアクセス方法です。
新千歳空港駅から札幌駅まで「快速エアポート」で約37分、運賃は片道1,990円です。
朝5時台から夜22時台まで、約15分間隔で運行しております。
駅は空港ターミナルビル直結で、雨や雪を気にせずアクセスできるのも魅力です。
【バス】
中央バスやJRバスなどが運行する「高速バス」で札幌駅前まで約70分、運賃は片道1,300円です。
札幌駅以外にも、大通公園や狸小路など市内各所に停車するため、目的地によってはJRより便利な場合もあります。
空港から1階バスターミナルに直行できる点も利点です。
降雪時は所要時間が長くなる場合があります。
【タクシー】
ドア・ツー・ドアで移動できる最も便利な方法ですが、料金は片道で約10,000円〜15,000円と高額です。
所要時間は交通状況にもよりますが、約1時間程度。4人程度で乗車すれば一人当たりの料金は他の交通手段と比べてそれほど割高ではなくなります。
特に、大きな荷物がある場合や、小さなお子様連れの場合に便利です。
【レンタカー】
北海道の広大な自然を自由に巡りたい方にはレンタカーがおすすめ。
新千歳空港には多くのレンタカー会社のカウンターがあり、事前予約していれば空港到着後すぐに車を借りることができます。
札幌市内までは一般道で約1時間、高速道路(道央自動車道)を利用すると約40分です。
高速道路料金は片道約1,000円です。
冬季は路面凍結に注意が必要です。
【乗り合いタクシー・シャトルサービス】
一部の宿泊施設では、空港と札幌市内のホテルを結ぶシャトルサービスを提供しています。
また、複数の乗客が同じ方面に向かうの相乗りする「乗り合いタクシー」や「ドアツードアサービス」もあり、一般的なタクシーより割安で利用できます。
事前予約が必要な場合が多いので、チェックしておきましょう。
札幌市内での移動方法
札幌市内に到着した後の市内移動手段についても知っておくと便利です。
【地下鉄】
札幌市内の移動には地下鉄が最も便利です。
南北線、東西線、東豊線の3路線があり、主要観光スポットのほとんどが駅から徒歩圏内にあります。
1日乗車券(大人830円)を利用すると経済的です。
地下鉄は雪の多い冬でも定時運行されるため、冬季の観光にも安心です。
【市電】
札幌駅前から西へ延び、すすきのや中島公園など市の南側エリアを通る市電(路面電車)もあります。
レトロな雰囲気と車窓からの景色を楽しめるのが魅力で、1日乗車券(大人570円)もあります。
【バス】
地下鉄や市電が通っていないエリアはバスが便利です。
主要な観光地である「藻岩山」や「さっぽろ羊ヶ丘展望台」などへもバスでアクセスできます。
ただし、路線が複雑なため、初めての方は事前に路線図や時刻表を確認することをおすすめします。
【タクシー】
複数の観光スポットを効率よく巡りたい場合や、公共交通機関の運行時間外に移動したい場合はタクシーが便利です。
初乗り料金は約670円からで、タクシー乗り場は札幌駅や大型ホテル、繁華街などに設置されています。
冬季は特に需要が高まるため、少し待つことも考慮に入れておきましょう。
【レンタサイクル】
夏季(4月〜11月頃)は、札幌市内の「ポロクル」というシェアサイクルサービスも便利です。
市内各所にステーションがあり、好きな場所で借りて、好きな場所で返却できます。
平坦な道路が多く、サイクリングに適した都市計画になっています。
1日パスは約2,000円です。
新千歳空港・札幌間の移動に関するコツと注意点
新千歳空港と札幌間を移動する際の実用的なアドバイスをご紹介します。
【時間帯別の混雑状況】
朝6:30〜8:30頃と夕方16:30〜18:30頃は、通勤・通学ラッシュと重なるため、JRや高速バスが非常に混雑します。
特にJRの快速エアポートは、この時間帯に札幌方面へ向かう場合は立ち席になることも。
余裕を持ったスケジュールを組むか、可能であれば時間をずらすことをおすすめします。
【季節による影響】
冬季(12月〜3月)は降雪や路面凍結の影響で、バスやタクシー、レンタカーの所要時間が大幅に延びることがあります。
特に大雪警報が出ている場合は、JRを利用するのが最も確実です。
ただし、JRも強風や大雪で運休・遅延することがあるため、時間に余裕を持った行動計画を立てましょう。
【荷物の管理と配送サービス】
大きな荷物がある場合、JRやバスでの移動は不便に感じることがあります。
そんな時は空港内の宅配カウンターを利用して、荷物を宿泊先に直送するのも一つの方法です。
主要ホテルであれば、当日配送も可能な場合があります。
また、空港内にはコインロッカーもあり、市内観光後に空港へ戻る予定の方は活用すると便利です。
【Wi-FiとSIM】
新千歳空港には無料Wi-Fiスポットがありますが、移動中はインターネット接続ができない場合があります。
海外からの旅行者は、空港内のカウンターでポケットWi-Fiをレンタルするか、旅行者用のSIMカードを購入することをおすすめします。
オンラインで地図や時刻表を確認できると、移動がより快適になります。
【事前予約と支払い】
レンタカーやシャトルサービスは、特に繁忙期(GW、夏休み、冬のスキーシーズンなど)は事前予約が必須です。
また、JRやバスは券売機や窓口で当日券を購入できますが、行列ができることもあるため、時間に余裕を持って行動しましょう。
交通系ICカード(Kitaca、Suicaなど)があると、切符購入の手間が省けて便利です。
札幌市内の主要観光スポット紹介
札幌市内には魅力的な観光スポットが多数あります。
新千歳空港からのアクセスと合わせて、主要な見どころをご紹介します。
【大通公園・札幌テレビ塔】
札幌の中心部に位置する大通公園は、四季折々のイベント会場として知られています。
2月の「さっぽろ雪まつり」、6月の「YOSAKOIソーラン祭り」、夏の「ビアガーデン」など、訪れる季節によって異なる表情を見せます。
隣接する札幌テレビ塔からは市内を一望でき、特に夜景は絶景です。
アクセス:地下鉄「大通駅」から徒歩すぐ
【時計台】
1878年に建てられた歴史的建造物で、札幌のシンボル的な存在です。
内部は資料館になっており、札幌の歴史を学ぶことができます。
アクセス:地下鉄「大通駅」から徒歩5分
【旧北海道庁赤れんが庁舎】
明治時代に建てられたネオ・バロック様式の美しい建物です。
内部は無料で見学でき、北海道の開拓の歴史を伝える資料などが展示されています。
アクセス:地下鉄「さっぽろ駅」から徒歩10分
【すすきの】
北海道最大の歓楽街で、約5,000軒もの飲食店やバー、ナイトクラブなどが集まっています。
ラーメンや海鮮料理、ジンギスカンなど、北海道グルメを楽しむのに最適なエリアです。
アクセス:地下鉄「すすきの駅」から徒歩すぐ

【札幌市円山動物園】
約170種、700点の動物を飼育する市立動物園です。
特に北海道の動物展示に力を入れており、エゾヒグマやエゾシカなどを間近で見ることができます。
アクセス:地下鉄「円山公園駅」から徒歩15分、または循環バス利用
【藻岩山】
標高531mの藻岩山からは、札幌市街を一望できる絶景ポイントです。
ロープウェイとミニケーブルカーを利用して山頂へアクセスでき、特に夜景は「日本三大夜景」とも称されています。
アクセス:地下鉄「円山公園駅」からバスで「藻岩山ロープウェイ入口」下車
【北海道大学】
広大なキャンパスと美しい並木道が特徴の大学です。
特に秋のイチョウ並木は絶景で、多くの観光客が訪れます。「北大総合博物館」も見どころの一つです。
アクセス:JR「札幌駅」北口から徒歩10分
【白い恋人パーク】
北海道土産の定番「白い恋人」の製造工場に併設されたテーマパークです。
チョコレート作り体験や工場見学、お菓子の歴史を学べる博物館などがあります。
アクセス:地下鉄「宮の沢駅」から徒歩で約10分
札幌は比較的コンパクトな都市のため、効率良く観光スポットを巡ることができます。
多くの見どころが地下鉄駅から徒歩圏内にあるのも魅力です。
札幌周辺には小樽や登別温泉などの観光地もあるので、時間に余裕がある方は足を延ばしてみるのもおすすめです。

新千歳空港発着の日帰り観光プラン
新千歳空港を起点に、限られた時間で効率的に札幌や周辺の観光地を楽しむ日帰りプランをご紹介します。
【プラン1:札幌市内ハイライト巡り(約6時間)】
10:00 新千歳空港到着、JRで札幌へ移動
11:00 札幌駅から地下鉄で大通公園へ、テレビ塔見学
12:00 大通公園周辺で札幌グルメ(味噌ラーメンなど)のランチ
13:30 徒歩で時計台、赤れんが庁舎を見学
15:00 地下鉄で狸小路商店街へ、ショッピングとカフェタイム
16:30 JRで新千歳空港へ移動
17:30 空港内ショッピングとディナー
19:00 フライト搭乗
【プラン2:小樽日帰り観光(約8時間)】
9:00 新千歳空港到着、JRで札幌経由、小樽へ移動
11:00 小樽運河周辺散策
12:30 小樽で海鮮丼のランチ
14:00 堺町通りでショッピング、ガラス工芸見学
15:30 オルゴール館、北一硝子など見学
16:30 JRで新千歳空港へ移動
18:00 空港内ショッピングとディナー
20:00 フライト搭乗

【プラン3:空港を存分に楽しむプラン(約5時間)】
時間が限られている方や、悪天候で外出が難しい場合は、新千歳空港内だけでも十分に楽しめます。
12:00 新千歳空港到着
12:30 「北海道ラーメン道場」でランチ
14:00 3階のアトラクションエリアで「ドラえもんわくわくスカイパーク」や「ロイズチョコレートワールド」を楽しむ
15:30 免税店や北海道の土産店でショッピング
17:00 「新千歳空港シアター」で時間を過ごす
18:30 夕食後、フライト搭乗
【プラン4:温泉と自然を楽しむプラン(約9時間・レンタカー利用推奨)】
8:00 新千歳空港到着、レンタカーを借りる
9:00 支笏湖へ移動(約40分)、湖畔散策
11:00 支笏湖温泉で入浴と昼食
13:00 定山渓温泉へ移動(約1時間)
14:30 定山渓散策、足湯巡り
16:00 新千歳空港へ移動(約1時間)
17:30 空港内ショッピングとディナー
19:30 フライト搭乗

これらのプランは、フライトスケジュールや季節、天候によって調整が必要です。
特に冬季は日照時間が短く、天候の影響を受けやすいため、余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
また、事前に各施設の営業時間や休業日を確認しておくと安心です。

まとめ:北海道旅行を快適に始めるために
新千歳空港と札幌を結ぶ交通アクセスは、北海道旅行の最初と最後の重要な部分です。
新千歳空港は単なる空の玄関口ではなく、ショッピングやグルメ、エンターテイメントを楽しめる魅力的な施設です。
時間に余裕があれば、空港内の施設を存分に楽しむことをおすすめします。
札幌市内へのアクセス方法は、JR、バス、タクシー、レンタカーなど複数の選択肢があり、それぞれに特徴があります。
予算、時間、荷物の量、季節などを考慮して、最適な移動手段を選びましょう。
札幌市内では、地下鉄や市電などの公共交通機関が充実しており、主要観光スポットへのアクセスも便利です。
1日乗車券などを利用すると、経済的に市内観光を楽しめます。
季節によって交通状況が大きく変わる点は北海道ならではの特徴です。
特に冬季は雪による遅延や運休も考慮に入れ、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
限られた時間でも、事前に計画を立てることで札幌や周辺地域の魅力を十分に味わうことができます。
日帰りプランも含め、自分のスタイルに合った北海道旅行を楽しんでください。
この記事が、北海道の玄関口・新千歳空港から、魅力的な大都市・札幌へのスムーズな旅の一助となれば幸いです。