バイクを購入したとき、譲り受けたとき、または売却するときに必ず必要になるのが「名義変更」の手続きです。
しかし、バイクの排気量によって手続き先や必要書類が異なるため、初めての方にとっては複雑に感じるかもしれません。
この記事では、バイクの排気量別に名義変更の手続き方法を徹底解説します。

バイクの名義変更とは?
バイクの名義変更とは、バイクの所有者を変更する手続きのことです。
中古バイクを購入したときや、知人から譲り受けたとき、相続によって取得したときなどに必要となります。
名義変更をせずにバイクを乗り続けると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります:
- 前所有者に税金の請求が行く
- 事故を起こした際の責任関係が不明確になる
- 防犯上の問題が生じる
- 自賠責保険の適用に問題が生じる可能性がある
そのため、バイクの所有者が変わったら、速やかに名義変更の手続きを行いましょう。
排気量による区分と手続き先
バイクは排気量によって区分され、それぞれ名義変更の手続き先が異なります。
区分 | 排気量 | 手続き先 |
---|---|---|
原付一種 | 50cc以下 | 市区町村役場 |
原付二種 | 51cc~125cc | 市区町村役場 |
軽二輪 | 126cc~250cc | 運輸支局 |
小型二輪 | 251cc以上 | 運輸支局 |
それでは、各区分ごとの具体的な手続き方法を見ていきましょう。
原付一種・二種(125cc以下)の名義変更
必要書類
- 廃車証明書(旧所有者が用意、発行手続き)
- 譲渡証明書(旧所有者が作成)
- 標識交付申請書(新所有者が記入)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(認印で可)
- 自賠責保険証明書
- 手数料(各市区町村によって異なる)
手続きの流れ
- 旧所有者の手続き:
- 旧所有者の住所地の市区町村役場で廃車手続きを行い、廃車証明書を取得します。
- 譲渡証明書を作成します。
- 新所有者の手続き:
- 新所有者の住所地の市区町村役場に以下の書類を持参します。
- 廃車証明書
- 譲渡証明書
- 標識交付申請書
- 本人確認書類
- 印鑑
- 自賠責保険証明書
- 手数料を支払います。
- 新しいナンバープレートと標識交付証明書を受け取ります。
- 新所有者の住所地の市区町村役場に以下の書類を持参します。
注意点
- 市区町村によって、必要書類や手数料が若干異なる場合があります。事前に確認しておくとよいでしょう。
- ナンバープレートは、旧所有者の住所地の市区町村で返納する必要があります。
- 自賠責保険の名義変更も忘れずに行いましょう。
軽二輪(126cc~250cc)の名義変更
必要書類
- 軽自動車届出済証(旧所有者から受け取ったもの、令和1年7月から車の車検証のような見た目の書類に変更されました)
- 譲渡証明書(旧所有者が作成)
- 申請書(軽自動車届出済証返納届兼軽自動車届出書)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(認印で可)
- 自賠責保険証明書
- 手数料(軽自動車税申告書提出と新ナンバー交付)
手続きの流れ
- 申請書類の準備:
- 旧所有者から軽自動車届出済証と譲渡証明書を受け取ります。
- 必要な申請書類を入手します(運輸支局で入手可能)。
- 運輸支局での手続き:
- 新所有者の住所地を管轄する運輸支局に必要書類を提出します。
- 軽自動車税申告書を提出します。
- 新しいナンバープレートと軽自動車届出済証を受け取ります。
注意点
- 軽自動車税は、名義変更を行った翌年度から新所有者に課税されます。
- 旧所有者のナンバープレートは、運輸支局で返納します。
- 自賠責保険の名義変更も忘れずに行いましょう。
小型二輪(251cc以上)の名義変更
必要書類
- 自動車検査証(車検証)
- 譲渡証明書(旧所有者が作成)
- 申請書(新規登録申請書または移転登録申請書)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(法人の場合は実印と印鑑証明書)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税申告書
- 手数料

手続きの流れ
- 申請書類の準備:
- 旧所有者から自動車検査証(車検証)と譲渡証明書を受け取ります。
- 必要な申請書類を入手します(運輸支局で入手可能)。
- 運輸支局での手続き:
- 新所有者の住所地を管轄する運輸支局に必要書類を提出します。
- 自動車税申告書を提出します。
- 手数料を支払います。
- 新しい自動車検査証を受け取ります。
- ナンバープレートの交換:
- 所有者や使用の本拠の位置(住所)が変わる場合は、ナンバープレートの交換が必要です。
注意点
- 小型二輪は車検がありますので、車検の有効期限に注意しましょう。
- ナンバープレートの交換は、運輸支局で行います。
- 自賠責保険の名義変更も忘れずに行いましょう。
名義変更の一般的な流れ
排気量に関わらず、名義変更の一般的な流れは以下のようになります:
- 事前準備:
- 必要書類の確認と準備
- 旧所有者からの必要書類の受け取り
- 旧所有者の手続き:
- 廃車手続き(原付の場合)
- 譲渡証明書の作成
- 新所有者の手続き:
- 各区分に応じた手続き先に必要書類を提出
- 手数料の支払い
- 新しいナンバープレートや証明書の受け取り
- 付随する手続き:
- 自賠責保険の名義変更
- 任意保険の契約変更
よくある質問と注意点
Q1: 名義変更はいつまでに行う必要がありますか?
A: 道路運送車両法では「名義変更の事由が生じた日から15日以内に手続きを行う」ことを定めています。 この期間を過ぎて手続きをしないと法律違反になり、50万円以下の罰金を受ける可能性があります。
Q2: バイク本体を持って行く必要がありますか?
A: 基本的にバイクの本体を持って行く必要はありません。必要書類を揃えて名義変更の手続きを行うことができます。
Q3: 手続きは代理人でも可能ですか?
A: 基本的には本人が行うことが原則ですが、委任状があれば代理人による手続きも可能です。ただし、市区町村や運輸支局によって対応が異なる場合があるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
Q4: 旧所有者が遠方に住んでいる場合はどうすればよいですか?
A: 郵送で必要書類をやり取りすることも可能です。特に原付の場合は、旧所有者が廃車手続きを行い、その廃車証明書を新所有者に送付するという流れになります。
注意点
- 名義が違うままの走行は避ける:名義変更せずに走行すると、様々なトラブルの原因となります。
- 自賠責保険の確認:名義変更と同時に自賠責保険の名義変更も行いましょう。
- 車検の確認:小型二輪(251cc以上)は車検があるので、有効期限を確認しておきましょう。
- 税金の確認:軽自動車税は4月1日時点の所有者に課税されます。名義変更のタイミングによっては、税金の負担についても確認しておくとよいでしょう。
まとめ
バイクの名義変更は、排気量によって手続き先や必要書類が異なります。
- 原付(125cc以下):市区町村役場で手続き
- 軽二輪(126cc~250cc):運輸支局で手続き
- 小型二輪(251cc以上):運輸支局で手続き
名義変更は、バイクを安全に合法的に利用するために欠かせない手続きです。
必要書類をしっかり準備し、正しい手順で名義変更を行いましょう。
もし不明点があれば、各手続き先に事前に確認することをおすすめします。
バイクライフを安全に楽しむためにも、名義変更は適切に行ってくださいね!
