毎年夏になると天気予報で聞く「熱中症アラート」。でも実際に何を意味するのか、どんな時に発表されるのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
熱中症アラートは、あなたや家族の命を守る大切な情報です。正しく理解して、暑い夏を安全に過ごしましょう。
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熱中症アラートって何?
熱中症アラートとは、環境省と気象庁が共同で発表している熱中症の注意喚起システムです。正式名称は「熱中症警戒アラート」といいます。
簡単に言うと、「明日(または今日)は熱中症になりやすい危険な暑さになるので注意してください」という警告です。
2021年4月から全国で運用が始まり、テレビの天気予報やニュース、メール配信などで確認できます。
なぜ気温だけじゃダメなの?暑さ指数(WBGT)の話
熱中症アラートでは、気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」という特別な数値を使います。
暑さ指数は、人が実際に感じる暑さを数値にしたもので、以下の3つを組み合わせて計算されます:
- 湿度(70%) – 最も影響が大きい
- 熱を出すもの(輻射熱)(20%) – 太陽光や地面からの熱
- 気温(10%) – 普通の温度
例えば、気温が25℃でも湿度が高いと、暑さ指数は28℃になることもあります。これが「ジメジメして暑い」と感じる理由です。
2種類のアラートの違い
2024年4月から、熱中症アラートは2段階になりました。
熱中症警戒アラート
- 発表基準: 暑さ指数が33以上
- 発表時間: 前日夕方5時頃、当日朝5時頃
- 意味: 熱中症の危険性が極めて高い
熱中症特別警戒アラート
- 発表基準: 都道府県内の全地点で暑さ指数が35以上
- 発表時間: 前日午後2時頃
- 意味: 過去に例のない危険な暑さが予想される
特別警戒アラートが発表されると、市町村は「クーリングシェルター」(指定暑熱避難施設)を開放します。これは公民館、図書館、ショッピングセンターなどの冷房設備がある誰でも利用できる施設です。
現在の状況:年々増える発表回数
熱中症警戒アラートの発表回数は年々増加しています:
- 2021年: 613回
- 2022年: 889回
- 2023年: 1,232回(史上最多、全国すべての地域で発表)
- 2024年: 1,722回(過去最高を更新)
熱中症による救急搬送人員も深刻です:
- 2023年(5-9月): 91,467人(過去2番目)
- 2024年(5-9月): 97,578人(調査開始以降最多、120名が死亡)
一方、熱中症特別警戒アラートは2024年に一度も発表されませんでした。発表基準が非常に厳しいためです。
アラートが出たら何をすべき?
基本の対策5つ
- エアコンを使って涼しい場所にいる
- 室温28℃を目安に設定
- 夜間も適切に使用
- こまめに水分・塩分を補給する
- 1日1.2リットルが目安
- のどが渇く前に飲む
- スポーツドリンクや塩あめも活用
- 外出を控える、運動を中止する
- 不要不急の外出は避ける
- 屋外での運動や作業は原則中止
- 高齢者や子どもに声をかける
- 特に65歳以上の方は要注意
- エアコンの使用や水分補給を確認
- 涼しい服装を心がける
- 通気性の良い服装
- 帽子や日傘を活用
特に注意したい人
- 高齢者(65歳以上)
- 乳幼児
- 体調不良の人
- 肥満の人
- 普段運動をしない人
情報の確認方法
熱中症アラートは以下の方法で確認できます:
- 環境省熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/ - 気象庁ホームページ
https://www.jma.go.jp/ - テレビの天気予報・ニュース
- メール配信サービス
環境省熱中症予防情報サイトから登録可能 - 環境省LINE公式アカウント
LINEで「環境省」を検索
FAQ:よくある質問
Q1. 熱中症アラートが出ていない日は安全ですか?
A1. アラートが出ていなくても、環境や体調によっては熱中症になる可能性があります。常に暑さ指数をチェックして、適切な対策を心がけましょう。
Q2. 室内にいれば熱中症にならないですか?
A2. 室内でも熱中症は起こります。特に高齢者は室内での発症が多いため、エアコンを適切に使用することが重要です。
Q3. 気温が30℃以下なら大丈夫ですか?
A3. 気温が低くても、湿度が高いと熱中症のリスクは高まります。暑さ指数(WBGT)で判断することが大切です。
Q4. 水分補給は水だけで十分ですか?
A4. 汗をかくと塩分も失われるため、水分と一緒に塩分も補給する必要があります。スポーツドリンクや塩あめなどを活用しましょう。
Q5. 運用期間はいつからいつまでですか?
A5. 毎年4月第4水曜日から10月第4水曜日まで運用されます。2025年は4月23日から10月22日までです。
熱中症は命に関わる病気ですが、適切な知識と対策があれば予防できます。熱中症アラートを活用して、安全で快適な夏を過ごしましょう。
参考リンク
環境省熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/
気象庁 熱中症警戒アラート
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/heat_alert.html
総務省消防庁 熱中症情報
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/
政府広報オンライン 熱中症対策
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201206/2.html
注意: この記事の情報は2025年7月時点のものです。最新の情報については、上記公式サイトをご確認ください。